東京都豊島区に位置する雑司ケ谷霊園は、都心にありながら豊かな緑に囲まれた歴史ある霊園です。ここには数多くの著名人が眠っていますが、特に夏目漱石の墓所は、文学遺産としての価値も高く知られています。
12月9日は「漱石忌」と呼ばれる彼の命日です。墓碑は、漱石の義弟である建築家・鈴木禎次の設計によるもので、安楽椅子をモチーフとした独特な形状が特徴です。これは、漱石がゆったりと眠れるようにとの遺族の願いが込められたものと言われています。
また、この霊園は漱石の代表作『こころ』の舞台としても有名です。物語の中で「先生」が親友の墓参りをする重要なシーンのモデルとなっており、その足跡を辿るために多くのファンが訪れています。
文学史に名を刻む文豪の安息の地として、また名作の舞台として、雑司ケ谷霊園は今も静かにその歴史を伝え続けています。